第9回 「朝一の表情は必見!」
朝8時半、今日もぼやあ樹へ出勤する時間。
出勤して必ず始めにやることは、ご利用者さんの朝一の顔を見ることです。
笑っている方、怒っている方、少し寝ぼけている方など、様々な表情が出現しています。
ご利用者さんの表情を見ると、職場に来た実感がすると同時に、"今日も1日が始まる"という
スイッチが入ります。
中でもAさん(女性)は、重度の認知症で普段は会話が噛みあわない方。
他にも、突然かぼちゃが綺麗な白髪頭に乗っていたり、お茶にティッシュが入っていたりなど、認知症に伴う様々な症状が見られます。
ある日、Aさんの朝一の表情は、とてもぼんやりしていて眠たそうな表情をしていました。
お昼ご飯の前にベッドで横になっていたAさんをお部屋までお迎えにいった時のことです。
宮「Aさん、お昼ご飯の時間ですよ。」と声をかけると、ベッドの柵から手を差し伸べて
A『私のこと好き?』と、当然問いかけてきました。
宮「もちろん好きですよ」
A『うそ~思ってないでしょ~?(笑)』
宮『うそじゃないです。大好きですよ』
しかし、Aさんはどこか疑うように、少し不満げな表情をされました。
そこで、たまたま部屋の前を通りかかった他のスタッフにも聞いてみるよう伝えると、
他『私も他のみんなも、Aさんの事大好きですよ』と、Aさんに向かって声をかけました。
すると、『ありがとう(^o^)』と、とても満足げににんまりと嬉しそうな顔をほころばせました。
正直、突然Aさんからこの質問をされた時は不思議な思いでした。
おそらく目が覚めて、暗い部屋の中一人寂しい思いになったのではないか、また普段の関わり
で物足りなさを感じてしまったのかなど、色々と考えさせられました。
しかし、時折このようにAさんと会話が噛みあうと、もちろん嬉しさはあるものの、一方通行にならないやりとりにとても楽しさを感じます。
こんなたった5分間程のやりとりではありますが、これが私の元気の源であり、 "今日も1日頑張れる!"そんな思いになれます。
また明日の朝一の表情を見るのが楽しみです♪