第4回 「幸せな30分間ドライブ」
午後3時半。今日も利用者さん全員でおやつを召し上がっている時間。
利用者さんが楽しそうに召し上がっている中、Aさん(男性)だけは他の利用者さんより少し早くご自宅へ帰られる。
「Aさん、お帰りの時間ですよ」と声をかけると、
『よよよ!?』と独特な効果音で反応なさる。
実はAさんのこの独特な反応が私は大好き。
驚いたときには『よよよ!?』『あら~』『おややや!?』などリアクションが抜群!
そして、これからAさんと私の30分間のドライブの始まり。
運転席に私がいて、Aさんは後方座席の中央が特等席。
すると、『昔は男しか免許をとらなかったのに、あんたは女のくせに上手いね』と後ろから褒めてくれる。
道を曲がるときには『はい、左に曲がりまーす』、
赤信号で停止をするときには『はい、止まりまーす』、
バックをするときには『はい、後ろオーライオーライ』と声をかけてくれる。
私も思わず「右曲がりますよ~」「止まりましたね」と復唱してしまうほど。
昔トラックの運転手だったAさんは、運転にはとても慎重で色々と気にかけてくれる。
このかけ声はAさんの自宅に着くまで、ラジオがいらないくらいずっと話し続ける。
ぼやあ樹にいる時間は、こんなにもAさんから話す場面は見られないが、車に乗った途端に男の血が騒ぐかのようにじっと私の運転を気にかけてくださる。
たまに、『およよ、ちょっとギリギリで怖いよ(笑)』とご指導いただくことも(笑)
そして無事にご自宅へ到着し、Aさんのご家族にお会いすると、
『いつもぼやあ樹の皆さんの写真が載った年賀状を見ながら、金子さんを指差して"大好き"と言ってますよ』と言って頂いた。
なんだかとっても照れくさかったが、顔を覚えてもらえて、ほっこりした気持ちになった。
今度は直接ご本人から聞けたら嬉しいな(笑)
そんな気持ちのまま、私とAさんの幸せな30分間ドライブが今日も終了した。
私にとってこの30分間はとても楽しくて、疲れを吹き飛ばしてくれる癒しの時間。
ぼやあ樹に帰るまでの1人ドライブは少し寂しいけど、またこの30分間を楽しみに今日も安全運転で戻ります♪