【初任者研修】②

いまさら聞けない?介護職員資格のお話②
初任者研修を受講してとりあえず飛び込んだ介護のお仕事の世界。現場での毎日は研修で学んだことだけでは対応しきれないハプニングや想定外の経験も多いと思います。
しかし、もしもこのタイミングで研修で学んだ用語や介護の仕事のしくみを多少なりとも理解できて、介護の奥深さを感じ始めていたら、あなたももう立派な介護職員。同時に介護の仕事を続ける自覚も自信もすでに生まれているかもしれないですね。
もしそうであればこの介護キャリア、もっとスキルアップしていきたいですよね。
さて、前回は介護スタッフのキャリアパス(キャリア及び資格の流れ)は初任者研修→実務者研修→介護福祉士といわれており、その中で介護福祉士のみが国家資格となる、と解説しました。
初任者研修を終えたあなたが次にめざすのは実務者研修でしょうか?
実は、初任者研修と実務者研修は段階的な資格ではなく、すこし複雑な関係の資格になっています。
ポイントは「実務者研修を修了=介護福祉士の受験資格を獲得」という点です。
次でそのあたりを詳しく解説しましょう。

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初任者研修と実務者研修、どう違う?
『実務者研修』は「文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校又は厚生労働大臣の指定した養成施設において介護福祉士として必要な知識及び技能を修得」するための研修と位置づけられています。一方で、『初任者研修』は厚生労働省認定の公的資格で、どちらも「研修」したことで知識やスキルがあることの証明にもなるものです。
初任者研修を終えた人が次に受講するものが実務者研修と思われがちですが、実は、初任者研修をスキップして実務者研修を受講することは可能なのです。受講科目と時間数は、初任者研修が9科目(130時間)、実務者研修が20科目(450時間)となっています。実務者研修は平均的に6か月程度の通信講座と通学講座が必要とされ、修了試験もあります。無資格からの実務者研修の受講は時間的、経費的にもかなり負担が大きいと言われています。また、学校によっては初任者研修の資格取得が済んでいないと受講できない場合もあるようです。

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介護福祉士をめざすなら実務者研修は必須
実務者研修は、2012年4月にスタートした資格です。介護福祉士国家試験受験のために、基本知識や技術を学ぶための研修として位置づけられ、2017年以降の介護福祉士の受験資格には、実務経験3年に加えてこの実務者研修の修了が必須となっています。
無資格や以前のヘルパー2級の資格を持ち、2~3年程度介護の仕事に従事していた人が、初任者研修をスキップしてこの実務者研修を受講し、3年の実務経験という条件を満たす時期に介護福祉士(試験は年に1度1月末に行われる)の試験にトライできるようになりました。このような最短で介護福祉士への道を目指せるというキャリアパスも最近は注目されているようです。
実務者研修は、国家資格である介護福祉士を目指す人には大切な必須キャリアです。
実務者研修の費用は無資格からは平均して10~20万円前後と言われていますが、初任者研修と同じようにさまざまな補助金、助成金制度があるので要チェックです。
次回は国家資格の介護福祉士について解説していきたいと思います。

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